ネット上の誤情報や偽情報を信じている人が、誤りを正すことにつながる方法を、名古屋工業大や理化学研究所、東北大などの研究チームが明らかにし、専門誌に発表した。誤った情報を信じている人はその誤りを正す記事を避ける傾向がみられるが、そうした自分の傾向を振り返ってもらうような支援が効果的だという。
ネット上の誤情報・偽情報がSNSを介して急速に広がり、社会に深刻な影響を与える事例が増えている。その対策の一つがファクトチェック(FC)作業だ。情報の真偽を検証し、正確な情報を共有する取り組みが進められている。
ただ、誤った情報を信じている人は、その誤情報を訂正したFC記事も避ける傾向が確認されている。そうした心理的な壁を克服するための有効な支援方法が求められている。
研究チームはまず、20~70歳の人を対象に、新型コロナウイルスをめぐる複数の正誤情報についてクリックしてもらい、信じている誤情報に対するFC記事をクリックする傾向が低いグループ(627人)と高いグループ(610人)の二つに分けた。クリック傾向が低いグループの約半数は、信じている誤情報を訂正したFC記事を1回もクリックしていなかった。
その後、それぞれのグループで、①自分がFC記事を積極的にクリックするタイプか、避けるタイプかなど、二つの質問で自身を振り返ってもらう②信じている誤情報のFC記事をクリックされやすいように記事リストの上位に置く③特に何もしない――の三つにわけて取り組んでもらい、クリック回数や正しい情報に考えを変えるかなどを検証した。
その結果、信じている誤情報…